Belleたん
KEKB加速器もあるでよ。Deep Inside





夏の想い出2008。

「小林・益川理論」がノーベル物理学賞を受賞する一ヶ月前。
高エネルギー加速器研究機構(KEK)で年に一度の施設一般公開イベントが
あったので行ってきました。
お目当てはもちろんKEKB加速器です。

今でこそ「小林・益川理論」を検証したことで有名になったKEKB加速器。
それは円形の衝突加速器で大きさたるや周長3キロもあり、
数ギガ電子ボルトの電子と陽電子を光速近くに加速させ
衝突させる実験を行えるそうです。

…なんて書いている私も何がなにやらさっぱりわかりません。
え?わからないのになんでそんなところに行ったのかって?


「加速器はイケメンに限る」という言葉があります。
私の言葉ですが、とにかく「CP対称性の破れ」や「電子ボルト」なんて
わからなくてもすごい実験に使う加速器はかっこいいに決まっています。

そんなわけで、ここからは理論はさておきKEKB加速器が
どれだけ見た目がかっこいいかを重点に置いて話を進めていきます。
難しい理論が知りたい方はKEKの解説をご覧ください。




【KEKB加速器を地上から一周(徒歩で)】

KEKB加速器ですが、本体は地下に埋まっていて地上から姿を見ることはできません。
でも地上に施設はありますし、そこを辿ればKEKB加速器の真上を歩くことができます。


大きな地図で見る
でっかーい!

KEKB加速器自体は円型だからどこからスタートしてもいいのですが、
どうせなら加速される電子と陽電子の気分を味わいたい、ということで
入射ライナックからKEKB加速器に入り、時計回りにKEKB加速器を
一周してみようと思います。
電子の回り方と同じだから電子回りというべきかな?



今回のルート。「富士」「日光」「筑波」「大穂」は研究棟の名前です。

スタートしたのは13時。一般公開は16時30分まで。
KEKB加速器は周長3キロなので普通に歩くなら一時間あれば一周できます。
施設見学もあるから余裕を持っておこう。このときはそう思っていました。


ちなみにKEKB加速器めぐり、本来なら無料の構内バスで各施設を
移動できるのですが、気づくと徒歩で一周していました。
加速器がかっこよすぎてバスの存在を忘れていたようです。



【スタート:入射ライナック】

KEKの入り口からメインの通りをまっすぐ歩き、突き当りを左に曲がると
電子陽電子入射機施設(入射ライナック)の入り口があります。
よし、ここで電子気分を盛り上げよう。



電子、いきまーす!!

電子気分で覗いた内部はこちら。




制御室。SFチックでかっちょいい!




無骨な機械。
飾り気ないところがいい!

かっこいい装置が見られて大興奮。
さすがに奥は撮っちゃまずいかなと思ったら、
「写真撮るならあっちの方が遠くまで見えますよ」
と職員の方が教えて下さるサービスぶり。
い、いいんですか?それじゃあ。えへへ。




遠い!消失点が見える。ママチャリも見える。

満足したので次なる目的地を目指します。



【入射ライナック 〜 KEKB Bファクトリー加速器】

入射ライナックを外からてくてく歩くこと数百メートル。
突然建物が消えました。



ありゃ?

ここから地下に潜っちゃうんですね。
でも大丈夫。目の前にある棚を辿っていけばいいのです。



左の白く細長いのが棚です

この棚で巨大なKEKB加速器に電気を供給していると思われます。



(この景色はよーく目に焼き付けてください)



【KEKB Bファクトリー加速器 〜 富士】

KEKB加速器の円の中に入りました。
ここまで戻ってこられればKEKB加速器一周は成功です。



始まりにして終わりの地(予定)

ここはちょっとだけ本物の加速器を見せてくれます。
エレベータを下った先で私を待っていたのは



ながーい!



終わりが見えなーい!

途中でKEKB加速器をまたぐ階段があったのですが、断言します。

この階段を作った人は加速器を心行くまで眺めたかったのだ、と。

裏は取ってないけど、絶対そうです。
だってこれですよ?



どーん



逆方向もどーん。

つい画像が大きくなるうっとり感。
私だったら毎日ここに来るね。
この加速器でご飯3杯はいけるね。



分岐もあるよ!

歩いているとあっと言う間にうっとりタイム終了。地上に出ます。
出た先は別の建物なので一瞬どこかわからなくなりましたが
どうやらここは富士研究棟みたいです。


元いた方向



【富士 〜 超伝導空洞】

富士研究棟に「へ」のガスタンク。




「He」の中圧ガスタンク。
ヘリウムなのは頭では理解しております。
KEKB加速器冷却するのに使うのかな。

なるべくKEKB加速器の上を通りたいので、棚の脇を歩きます。




…誰も通らない。



うっそうー

むしろ藪が行く手を塞ぎます。
最先端の研究施設とはいえ、ここはつくばなんですね。
まさかこんなところで藪漕ぎするなんて。


カニ〜食べに行こう〜♪
藪〜漕ぎしよう〜♪



とかなんとかヤケになって歌いながらたどり着いた建物には






カニが貼られていました。なぜ?



【超伝導空洞】

カニ。




このカニの絵が描かれた施設では、クラブ空洞という
装置を用いた衝突実験を行っているそうです。
カニがいるわけじゃないみたいです。




電子の移動がちょっと珍しい(カニっぽい)そうですが
あいにく今はメンテナンス中。
実際の動きを見ることはできませんでした。




内部はBファクトリーと似ています。
繋がってるから当たり前ですが。



【超伝導空洞 〜 日光 〜 筑波(Belle)】

超伝導空洞から筑波研究棟まで、一般公開されている施設はありません。
棚を辿って日光研究棟に到着しましたが




やっぱり人の気配はありません。




あまりにも静かなので、世界に自分しかいないのではと錯覚します。
でも悪くない。




廃墟好きならこの楽しさはわかるのではないでしょうか。
いや、ここは廃墟じゃないけどさ。





そういえば日光と筑波の間の構内バス用道路。
前日の雨で思いっきり冠水してます。
廃線になった国道みたいでますますそれっぽいです。

水溜りで遊びながら筑波研究棟に向かいます。

次のページでBelleが登場するよ!

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